下流老人の実態

増え続けている下流老人。もうこの年で貧困から逃れる術は何もない。

スキーバス転落事故で明るみになった非正規雇用老人の苦悩

      2016/02/29

軽井沢スキーバス転落事故

2016年1月15日、長野県軽井沢町でスキーバスの転落事故が
発生した。
この事故で、若者15人の尊い命が犠牲になった。

事故を起こしたのは、バス運行会社の「イーエスピー」だ。
この会社の杜撰な管理体制では、事故は必然的に起きたと
言っても過言ではない。
バスの始業点呼はしない、運行指示書は作成しない、
運転手の過労防止措置をしないなど、
安全管理について軽視する会社だったのだ。

また、今回のスキーバス転落事故を販売した
旅行会社のキースツアーは、法定基準額を下回る運賃で
バス運行を発注していた。
最低基準額は26万円であるが、イーエスピーは19万円で受注した。

この事故に伴い、2016年はバス運行に関する規制が
厳しくなるだろう。

しかし、来年にもなれば事故のことは忘れられていく。
運行管理などは形骸化していくのだろう。

バス運転手という仕事

バスの運転手という仕事のなり手には、60歳以上の老人が多い。

なぜなら、拘束時間が長いにも関わらず、賃金が安いため、
若手がやるような仕事ではからだ。

以前にバス運転手をしていた人から、実態を聞いてみた。
1泊3日の格安スキーバスツアーの場合、
運転手に支払われる賃金は、高くても3万円だという。
最も安いときで、21,000円だったらしい。

3日で21,000円だとすれば、1日7,000円だ。
8時間労働だとすれば、時給875円にしかならない。

それでも老人たちが文句も言わず働くのは、
「しょうがない」と思っているか、あるいは他に仕事がないから
だと推測する。

実態を話してくれた人によると、本来なら2人体勢で運転するはずが、
実際は1人で運転するときもあったという。
人手不足のため、「今日は一人で安全運転よろしく」と
軽く言われてしまうのだという。
しかも、その日の日報には、運転手の欄に2名の名前を
書くルールになっていたらしい。

あまりにもひどい話であるが、利益を求める一般企業であれば、
これが普通の状態なのであろう。

非正規雇用の貧困老人

バスの運転手に限らず、非正規雇用の高齢者が増加している。

雇う側からすれば、仕事を選り好みできない高齢者は
安く使うことができるし、ルール違反の雇用にも
文句を言わないため、使いやすいのだろう。

貧困老人は知識レベルも低いため、雇用のルールについては
ほとんど無知だ。
最低賃金、有給休暇の付与日数など、労働基準法で定められた基準は
関係なく、会社の言いなりで働いてくれる。

「うちは有給ないよ」

と言われた高齢者は、派遣会社で継続2年間働いていた
という話も聞いたことがある。

使う側にしてみれば、貧困老人はありがたい存在なのだ。

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