下流老人の実態

増え続けている下流老人。もうこの年で貧困から逃れる術は何もない。

子供を愛しすぎた下流老人になった男

   

娘を溺愛した父親

とても真面目で働き者だった男が貧困生活を送っている。
僕の勤める会社で掃除のアルバイトをしている田久保さん(70歳)だ。

田久保さんは40歳のときに15歳年下の女性と結婚し、
子供が出来たのは45歳のときだという。
初めての子、しかも娘は可愛くて、ほとんど叱ったことがないらしい。

現役時代は自営業で、軽自動車を使い運送業をしていた。
裕福ではなかったが、家族で過ごす時間は幸せだった。
妻と共働きで子育て、住宅ローンなどに追われたが、
今思えば楽しかったという。

娘は20歳で結婚し家をでた。
その2年後、妻が52歳という若さで亡くなった。
大好きだった妻に先立たれ、泣いて過ごす日々が続いた。
そのとき仕事を辞めていたため、ひとりの時間が長く、
辛かったという。

それから1年が経ち、娘が離婚した。
旦那とケンカばかりで、一緒に過ごす意味が無くなったらしい。

娘は実家に帰ってきた。
離婚したことは残念だったが、田久保さんは嬉しかった。
一緒に食事をしてくれる家族が戻ってきてくれたから。

子供をわがままに育てると親は不幸になる

娘は実家に戻ると就職活動をした。
しかし、正社員の求人にいくつか応募するも全滅。
派遣社員になったが、2ヶ月で辞めてしまった。

高校を卒業後、農協で1年半働いた後に結婚したため、
社会で働くことに慣れていなかったのかもしれない。
上司に注意されることがとにかくイヤだったらしい。

今はコンビニでアルバイトをしている。
月に9万円しか稼いでいない。
当然、家には1円も入れない。

それでも田久保さんは文句を言わなかった。
お金なんか入れなくても、一緒に暮らしてほしかった。

娘はそんな状況を察してか、徐々に働く金額が減っていった。
今では月に5万円しか働かない。
それにも関わらず、スマホやパソコンを頻繁に購入するし、
ゲームにも惜しげもなくお金を注ぎ込む。
おまけに海外旅行は2ヶ月に一回は行く。

娘の使うお金のほとんどは父親の年金だった。

下流老人になったのは娘のせい

田久保さんの年金は月に15万円ある。
住宅ローンも終わっているし、男ひとりなら
何とか暮らしていける金額だ。

しかし、掃除のアルバイトをしているのだ。
娘と一緒に暮らしたいために。

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